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11・無知と自己陶酔からくる“国交樹立の信念” 日本向け2部(11/20) [北朝鮮による日本人拉致問題の解決策]

11・無知と自己陶酔からくる“国交樹立の信念”
 結局、「不幸な過去を清算し、北朝鮮との国交正常化をなんとしてもやり遂げねばならない」という一部の政治家や官僚の一途な思い込みは、どこから沸いてくるのだろうか。
 大きな原因は、散々述べたように、歴史認識の稚拙さである。中国と韓国をさも同じ被害者であるかのように同列に位置づけたり、また自らの恥辱を隠蔽するために韓国が発明した嘘の歴史にコロリと騙されたりするのは、科学的な史実を知らないか、あるいは知っていても中途半端なためである。
 そのような無知から、日朝間に“不幸な過去”なるものが存在し、あたかも日本はその“贖罪”のためにも国交正常化をしなければならないという類いの“信念”が生まれるらしい。だが、真実には、北朝鮮の人々にとっての不幸とは、共産主義者に支配されてから今日に至る過程であり、また日本帝国に統治される以前の李朝の暗黒時代である。そして朝鮮民族に「多大の損害と苦痛を与えた」張本人こそ金親子である。おそらく、まだ自由で民主的な社会を知らない北朝鮮の人々にとって、日帝時代とは全時代を通じてもっとも幸福だった時代だったのではないだろうか。
 本来、政治家や官僚が自分が関係する歴史的事例に関して無知であるのは立派な罪ではないだろうか。この種の無知は職務怠慢として指弾されるべきである。
 われわれがまずやるべきことは、朝鮮民族がなぜ歴史の真実を隠蔽してきたのか、その真の動機を理解することである。それは端的にいって真実があまりに恥辱だからだ。
 もし本当に歴史教科書に真実を記すなら、以下のような記述にならざるをえないのだ。
「李氏朝鮮は“文化先進国”どころか中世の暗黒時代さながらの地獄のような未開国家だった。当時は貨幣経済すら未発達で国民の4割は売買される奴婢だった。朝鮮は清の属国であり、国王自らが清の役人に土下座していた。日清戦争と下関条約の結果として日本に独立させてもらった。だが、当の朝鮮人が独立の気概も近代化の意志も持ち合わせていなかったため国土を西洋列強に切り売りし、それが日露戦争の大きな要因になった。朝鮮人は日露戦争の勝利を見て、日本が新たな宗主国にふさわしいと考えた。西洋列強によって世界が次々と植民地化されるのを見て、生き残りのために自ら日本に併合を願い出た。その日韓併合は国際社会からも合法と認められた。併合の際も大半の朝鮮人は無関心で、抗議運動などはまったくなかった。李朝時代の対外債務は日本が全部肩代わりしてくれた。日本の国家的事業によって朝鮮は急速に近代化した。朝鮮人はそれを喜び、総督府の事業に協力的だった。日本人の名前を名乗る者が続出して総督府から紛らわしいとして咎められたが、最終的に合法化してもらった。日中戦争が始まると、朝鮮人将校の活躍に国中が沸いた。当時、独立運動なんて聞いたこともなかった。太平洋戦争が始まると、朝鮮人は進んで戦争に協力し、東南アジアの捕虜収容所では連合軍捕虜を虐待し、志願兵募集に殺到した。日本が敗戦すると、アメリカの意志によって朝鮮は独立させられた。連合国が『朝鮮は日本の奴隷だった』と主張するので、とりあえず残酷な扱いを受けていた被害者に成りすました。そして独立闘争を頑張っていたことにし、連合軍の一員として対日宣戦布告していたことにし、戦勝国に成りすますことにした」
 これが朝鮮の近現代史である。彼ら朝鮮民族にとって歴史の真実はあまりに耐え難いものだったのだ。果たして、真実とはいえこんな内容が教科書に書けるだろうか。
 しかもその後の歴史も、戦前に劣らぬほど恥ずかしいものである。北朝鮮であれ韓国あれ、「戦後、わが国を掌握した独裁政権は日帝時代よりもはるかに強圧的で、無法で、大量虐殺をやらかした」とは、とうてい書けないはずである。このような歴史は、独裁政権にとって政治的に都合が悪いだけでなく、一般国民にとっても都合が悪いのである。神話が長らく信じ続けられている背景には、両者のニーズの一致があるからだ。それゆえ、真実を主張する韓国の学者や知識人は今なお社会からの迫害すら覚悟せねばならないのだ。
 そしてこのような歴史の真実と韓国側の本当の内情を知れば、われわれの側もまた従来の幻想を払拭することができるのである。
 現代の民主的な情報化社会にあって、真実を永遠に封印しておくことなど不可能である。今言ったように、韓国でもようやく「嘘の見直し」と「歴史の正常化」が始まった。これまで大半の韓国人は、官民とも民族主義的な自慰に浸り、日本という他者にすべての責任を被せるという安易な道を選んできた。しかし、そのように嘘をつき続けることにはもはや耐えられないと感じる人々がようやく現れ始めたのだ。たとえそれが恥辱であっても、歴史の事実は事実として苦くても直視すべきだと考える人が増え始めた。
 このような肯定的な変化に水を差そうとしているのが、くり返すが、中途半端な歴史認識から「信念」なるものを抱くに至ったらしい一部の日本の政治家なのである。
 彼らは「不幸な過去を清算し、日朝の国交を樹立するのが政治家としての使命である」という風に信じきっている。だが、このような「信念」は、換言すれば何ら客観的事実の裏づけのない当人の勝手な思い込みにすぎない。
 そもそも何のための国交正常化なのか。「なぜ山に登るのか」と問われた登山家は「そこに山があるからだ」と答える。同じように、そこに国交のない国があれば国交を樹立しなければならないのと条件反射的に考えるのが政治家であり、外交官であるらしい。
 だが、相手が誰彼かまわずに国交を樹立することが、そんなにご大層な“偉業”だろうか。ましてや北朝鮮という国は人類の近代史上でも稀なアブノーマル国家である。私ならばこんな異常な国とは国交を結ぶ必要もなければ関わる必要すらもないと考えるが、どうやら政治家や外交官の職業本能はそのような疑念すらも一切思い浮かばないほど自動的・機械的で、逆にそれを「歴史的使命」に脳内変換してしまうほど強烈なものらしい。そして両国の間に対立や障害があればあるほど、その使命感とやらも燃え盛り、「政治家(外交官)冥利に尽きる」という心理が拡大されるものらしい。
 問題なのは、自分が何かの歴史的・国家的役割を果たしているという思い込みには、必ずといっていいほど本人の気づかぬ自己陶酔が入り混じっていることである。これが実に厄介な心理と言わざるをえない。なぜなら、世論の批判を浴びれば浴びるほど、彼はそれを「無理解な大衆による迫害」と受け止め、一種の陶酔感を伴った殉国者的心理に浸るからである。ゆえに、北朝鮮と国交正常化することを何かの「歴史的偉業」と錯覚している人たちには、どんな論理的な批判を浴びせても無駄といえよう。当人はあくまで「自分は正しいことをしているにもかかわらず、いや正しいことをしているがゆえに、世間の非難を浴びているのだ」という“ガリレオ・シンドローム”に陥るからである。
 一部の日本の政治家は、過去何十年にもわたり「日朝国交正常化」を謳い続けてきた。そして歴史の真実の是非は横に置き、独裁国家の言うがままの歴史観を受け入れ、北朝鮮に対する「過去の清算」とか「過去の贖罪」などという言葉を弄んできた。
 外務官僚もまたしかりである。彼らは、世の中に国交がない国があれば国交を樹立し、関係を築くのが自分たち外務省としての使命であり、成果だと信じ込んでいた。その「はじめに国交正常化ありき」の方針の前では、拉致被害者とその家族の存在は障害ですらあり、邪険に扱いすらしていた。
 このような人たちは、両国の体制の違いや障害を乗り越えて北朝鮮と国交を樹立するのが己の歴史的使命であると任じ、その使命に尽力する己に陶酔してきた。今では物笑いのタネでしかない「金丸訪朝団」のときの金丸信は、「国交正常化すれば歴史に名が残る」と信じていたという。02年の日朝首脳会談に臨んだ小泉元首相も外務省幹部も、そのような考えに支配されていたらしい。いや、今でもそんな錯覚に犯されている政治家はいる。
 いいかげん、誰かがはっきりと言ってやるべきではないだろうか。「王様は裸だ」(=あなた方はただの馬鹿なんだよ)と。“信念”とか“使命感”などというものは、裏を返せば客観的真理とはかけ離れた本人の単なる思い込みである。実に厄介なメンタリティと言わざるをえない。そんなものに振り回される国民一般こそいい迷惑である。
 そもそも客観的な検証抜きに相手の言い分をそのまま受け入れ、謝罪するのが政治家の仕事ではない。それで相手の人民感情が慰撫でき、両国の友情に繋がると考えるのは、その結果としてますます反日を増長させ、強請りを強めた中韓両国の事例によって単なる錯覚、否、逆効果であることすら実証されている。
 日本側に問題があるとすれば、それは南北朝鮮人に対する「過剰な善意」である。そのせいで、日本は常に彼らによる詐欺外交の餌食になってきた。「不幸な過去を清算し、日朝の国交正常化を果たす」という考えも、明らかにその過去の愚かな過ちを踏襲するものである。わが国が南北朝鮮に対してやるべきなのは「反省」ではなく「反論」である。日本海呼称問題のように、不当な言いがかりや冤罪を着せようという卑劣な試みに対しては、声を大にした徹底した反論・論破あるのみである。そして韓国に対してだけでなく、北朝鮮に対しても「国交正常化」ではなく「歴史の正常化」を進めるべきである。
 幸い、韓国社会は肯定的な変化を見せ始めている。日朝交渉もまたこのような変化を見据えた上で進めるべきではないだろうか。

「日中関係を利用して日本人拉致問題を解決する方法」2007年10月作成・配布
【文書の構成】
・日本向け1部(1~10/10)
・日本向け2部(1~20/20)
・中国向け1部(1~10/10)
・中国向け2部(1~15/15)


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