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1・拉致問題の解決策である「山田案」とは何か? 日本向け1部(1/10) [北朝鮮による日本人拉致問題の解決策]

はじめに
 そもそも、われわれはなぜ北朝鮮による日本人拉致問題を解決しなければならないのだろうか。
 答えは簡単である。それは同問題が国家の根幹と存在意義に関わるからだ。
 国家の第一の義務は安全保障である。つまり、国土を守り、国民を保護することだ。個人の自由をはじめとするあらゆる市民的権利や社会の平和、経済的繁栄なども、しょせんはこの安全保障の枠内で達成されるものでしかない。逆に言えば、安全保障が崩壊すればすべてが崩壊するのであり、ゆえに欧米ではそれをハイポリティクスと位置づける。
 拉致問題は、北朝鮮の工作機関が白昼堂々、大勢の日本人を拉致したことによって生じた。これは日本国民の生命と人権を脅かした侵略行為に他ならない。本来ならば、その時点でわが国に対する宣戦布告に値する。事実、一昔前なら開戦事由になっただろう。
 だが、対策本部の設置になんと30年もの歳月を要した。その過程では、「拉致は公安の捏造」と言い張る者や、「拉致事件の捜査を止めろ」と警視庁に怒鳴り込んだ社民党の旧党首のような者もいた。驚くべきことに、政治家と官僚の中にも、拉致被害者の存在を「日朝国交正常化の障害」などと邪険に扱う者までいた。
 本来、被害者であるはずの人間が、加害側――しかもあらゆる悪事を行ってきた非人道的な独裁国家――と戦うどころか、逆におもねり、ご機嫌をうかがい、友好関係を取り持つことがさも歴史的使命であるかのごとき自己陶酔していたのである。このような関係を他人と結ぶ人間のことを世間の常識では「奴隷」と呼ぶ。国家が平然と悪に屈する…あってはならないことである。アメリカに安全保障をゆだね続けた結果、日本人の国防と自衛に対する感覚、あるいは国家観そのものがここまで麻痺しきっていたのだ。
 もっとも非難されてしかるべきは、明らかに自国民を見殺しにしかけていた一部の政治家ではないだろうか。仮に拉致被害者を切り捨てて北朝鮮と国交を樹立した時点で、国家はその存在意味を失うだろう。国民が国旗を掲揚する意味も、命を賭けて国を守る意味も、日本という国や同胞を愛する意味も、そのすべてが失われてしまうのだ。そういう意味において、02年の「9・17」以降、われわれが「何のための国家か」という問いかけを改めて余儀なくされたのも無理はない。
 ある元外交官は、拉致問題を放置すれば「国体が崩壊する」と喝破した。事実、このようなかつての対応は、明らかに国民にとっての国家の存在価値を失わしめる危険性を孕んでいたと言わざるをえない。なぜなら、国家とは共同幻想の産物だからだ。国家の正統性、紙幣の発行権、警察と軍隊の権威…そういった“あるテリトリー内における唯一の正当な権威・力”としての国家権力も、突き詰めていけばその構成員たる国民の幻想によって支えられているにすぎない。もし日本国民に害をなす外国に対して日本政府が毅然として対峙しなければ、国民は次第にその幻想を共有しなくなるだろう。その結果としてもたらされるケイオス状況を、フランスの社会学者は「アノミー」と称した。
 その拠って立つ礎を失った時、国家が内部から崩壊を始めることは実証されている。その行き着く先は秩序の崩壊であり、結果としての無数の暴力の乱立である。国家内国家としての宗教勢力や民兵が跋扈し内戦に突入する、あるいは、求心力を失った国家に代わって新たに地方やエスニック性が求心力となり分離独立が進むといった事例は、歴史の中にも、いや、現代においてさえたくさん見出すことができる。「日本は絶対にそうならない」と信ずるのは勝手だが、それが客観性の欠けた単なる思い込みでしかないことは、終戦直後の無秩序状態や「労働者に祖国はない」という国家否定のインターナショナリズムの異常な蔓延を見ても明らかである。
 国家は意外なほど脆い。国民の信を失った国家はやがて自ら滅ぶ。そう考えると、拉致問題を蔑ろにすることは国家の自殺行為に他ならないことが分かる。だから、私は次のように言い切る。北朝鮮による日本人拉致問題は“戦後最大級の国難”である、と。
 幸いと評してよいのか、多くの日本人は拉致被害者の皆さんの犠牲によって眠っていた生存本能を呼び覚ますことができた。国民は「9・17」で憤激し、結果として目覚めることができた。これは天のご加護である。
 現在、日朝間は弾こそ飛ばないが事実上の戦争状態にある。そして戦争である以上、われわれは勝たねばならない。国家の難局を乗り切るのに、ましてや戦争に官も民もあるだろうか。本提案者は一民間人であるが、そういった志において拉致問題の解決に協力するのが当然と考え、数年にわたって策を練り続け、この文書をしたためた。
 本稿は結論部分としての1部と、その詳細な補完部分である2部より成る。拉致問題の解決にたずさわる人々に少しでもインスピレーションをもたらすことができれば、筆者として本望である。

1・拉致問題の解決策である「山田案」とは何か?
 山田案とは、2002年9月の日朝首脳会談から数ヵ月後の03年1月以降、山田高明が拉致問題に関係する政府の各組織や要人に対して、文書の配布や個人的な手紙の郵送などを通して提唱し続けている同問題の解決策のことである。
 その具体的な内容とは、中国の胡錦濤政権に対して以下の提案を行うというものである。
「もし貴国が北朝鮮に囚われている日本人拉致被害者とその家族の生存者全員を取り戻してくれるならば、日本はODA3兆円の債権を戦争賠償という形で放棄――新日中条約の締結――してもよい」
 この提案の背景には「中国こそが拉致問題を解決できる唯一の国である」との認識があり、そのことは詳しい理由も含め後述する。また今回は、金正日政権をクーデターによって一気に処断する非常策も考えた。これは5項で説明するが、秘匿を願いたい。
 この山田案に対し荒唐無稽で常識外れという印象をお持ちになる方もいるかもしれない。だが、この提案は他のどんな策よりも、中国を全力で拉致問題の解決へと駆り立てる動機付けとなるだろう。現在、中国は本音では拉致問題に何の同情も関心もない。その中国を動かすには思い切った見返りが必要である。その結果、わが国は「日朝戦争」において頼りがいのある「臨時同盟国」を得ることができる。そして中国は現実に解決能力を有している。今やあらゆる状況が解決の成功を保障していることは後述する。
 むろん、わが国は大きな代償を支払うのだから、日本人拉致問題の解決以外にも交換条件として、たとえば「日本の国連安保理常任理事国入りを支持すること」といった条件も提示するなど、可能な限り国益の利幅を大きくすべきなのは言うまでもない。

「日中関係を利用して日本人拉致問題を解決する方法」2007年10月作成・配布
【文書の構成】
・日本向け1部(1~10/10)
・日本向け2部(1~20/20)
・中国向け1部(1~10/10)
・中国向け2部(1~15/15)

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クリントン モニカ

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by クリントン モニカ (2017-04-01 05:13) 

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